坐骨神経痛から始まった麻痺を伴った椎間板ヘルニアが完治した話 【後編】

元気に生きる!

2016年の9月に経験した足首に麻痺を伴った椎間板ヘルニア。もう治らないと思っていたのに3か月で完治しました。発生から完治までを時系列で書きつづった話の後編です。

 

注)この記事は完治する方法を記載したものではありません。むしろ完治した明らかな理由は不明です。発生から完治するまでの経緯を記したものです。

 

 

MRI検査に行くまでの1週間

初期症状から20日~

 

検査までの一週間 室内(アパート)での過ごし方

痛みは薬で少しはごまかせていましたが麻痺は相変わらず。

痛みもごまかせるのは動いていないときのみ。動いた時や態勢によってはやはり痛いです。

ワンルームの我が家にはイスがありません。

全ては床にお尻をつけている状態から起き上がる動作になります。

冷蔵庫に何かを取りに行くのでも、ポストを見に行くのでも起き上がる一歩目が大変です。一歩目で最大の激痛が走ります。

そして、

起き上がるのも大変ですが床に座っている間も苦痛でした。

あぐらも痛い、正座も痛い、足を横に投げ出しても痛いです。

要はどんな態勢でも常に痛い。

痛みを避けるための逃げ場がない。これはつらいです。

 

何とか比較的楽な態勢を試行錯誤したのが、

 

ペットボトルを利用した正座です。

 

万人に有効かわかりませんが一応記します。

1.5~2ℓの空のペットボトルを用意します。

それを床に縦に倒す形で置いて正座の足と足の間に挟んで座る態勢です。

何とも間抜けな格好にはなるのですがこれが一番楽でした。

ホウキでなくペットボトルにまたがったできの悪いハリーポッターのような(笑)

ふくらはぎが太ももと完全に密着しないくらいの高さが調度よいです。

なので、ペットボトルより丸めたクッションや座布団の方がよりいいかもしれません。

我が家にはそのような物がないためペットボトルは苦肉の策とも言えます。

ただ、日本のペットボトルは優秀なのかパンクするようなこともありませんでした。

一般家庭のお家ならダイニングキッチンにあるような高めのイスがベストでしょうね。

 

外出準備にも一苦労。靴を履くことの大変さ。

お尻からつま先まで左足全体が患部だったわけですが、朝の着替えなどでズボンを履く時が大変です。

 

右足を軸にして患部側の足を通すことは何とかできました。しかし、患部側の左足を軸にすると体を支えられません。

 

崩れ落ちるわけではありませんがバランスが取れないのです。1秒持つか持たないかです。

なので右足をズボンに通すときは、壁の横に立ち壁に体を預けながら履きました。

 

普段気にしたこともないのに足首の筋肉(ふくらはぎから走る筋肉?)はバランスをとるために重要なんだということも実体験でわかりました。

 

玄関では靴が足だけでは履けない。

 

普段なら靴に足を入れるだけなのですが、足先がブラブラしたままで思うように動かせませんでした。そして、足を靴に押しつけると股関節部分に激痛が走る状態です。

なので、

左手で長い靴ベラを用意します。右手で足首を靴へ誘導(自分の足じゃないみたい)。ゆっくり全体の体重を左足へかけてやっと足を靴に収めることができました。

靴を履いて歩きだすとそれほど痛みはありません。外に出て歩行している分には痛みは軽度でした。

とても治るものとは思えない症状でした。

 

 

電車内、ホーム、駅の階段などでの様子

電車内はイスに座ると最寄り駅に着いた時の立ち上がる動作がしんどいので立っていました。

しかしながら電車内で立って同じ場所に留まっているというのも苦痛で、通勤の40分間は本当に長く感じました。脂汗かきまくりです。

駅に着くと電車の近くはふらつくと危険です。なのでホームの真ん中を歩くようにしました。周りが普通に歩いている姿はとてもうらやましく、自分もこんなはずでは・・と感じました。

階段は上りより下りが危険です。段を降りた時に足首がグニャリと曲がって地面をつかめないことがあるためです。

運悪く降りた時の勢いと体重のかかり方次第では骨折します。これはお医者さんに言われました。

特にヒヤっとしたのは、階段の下りで前を歩く人が突然止まった時です。自分の勢いを足首が支えられなく実際グニャリとなりました。

幸いそこが階段の終わり辺りで転がり落ちることはなく、その場に崩れるだけで済みました。

たかだか足首の一か所が動かないというだけでこんなに日常生活が不便になるものなのかと痛感した瞬間でした。

そして、今までハンデを持った人の大変さをまるで理解していなかったことに自己嫌悪すら感じました。

 

 

就寝時はまるで熟睡できない。痛み止めが切れると目を覚ます。

痛み止めを飲まなければ横になっても痛いです。仰向けになっても横を向いても痛い。

要は薬がなければどのような態勢でも痛い
左足のお尻から腿、足先までの神経を両端から引っ張られている感じ。

痛み止めを飲んでも効果が切れるのか朝方に痛みで起きることがよくありました。

しかも寝ていても無意識に痛みを恐れているのか寝返りをうった形跡がありませんでした。
布団と体の向きが全く変わっていません。

これではエコノミークラス症候群に陥る可能性すらあります。

※エコノミークラス症候群は、長時間同じ態勢でいることで血栓が生じ動脈を塞いでしまい、最悪心肺停止に陥ってしまう。2004年の中越地震の影響で車中泊をしている人に見られたことで注目された。現在では『ロングフライト症候群』という。

 

朝方、痛み止めが切れた頃に目覚めて、起き上がるときがまた痛い。
そういう意味では夜中のトイレは最悪です。起き上がってトイレに行くことを避けるために就寝前に水分を摂ることはやめました。

水分を摂らないなど、やっていることは体に良くないことばかりです。

最悪です。

 

 

MRI検査までの一週間 会社編

会社ではひたすら椅子に座りっぱなしです。PC相手のデスクワークなので休憩とトイレとコーヒーを買いに行く程度しか離席しません。

ただ、床に座っているのとは違ってイスは苦痛がなく楽でした。一応リハビリと思い左足を宙に浮かせて足首を上げ下げするような運動をしたりもしていました。

特に効果は感じませんでした。というより、左足の足首はピクリとも動きませんでした。

社内ではあまり腿を上げないような歩き方で何となくバレないようにふるまっていました。何でしょう今まで感じたことがない劣等感でした。

 

そして、いよいよ人生初のMRIの日が来ました。

 

 

初期症状から約1ヶ月~

人生で初めてのMRIを体験する

 

MRIは完全予約制のため事前に仕事の調整はつけておきました。

この日は診察を受けに来たついでにMRIではなく、MRIをやりに来たのです。MRIってそういうものなんですね。知りませんでした(レントゲン感覚だったー)。

 

MRI受診の受付から名前を呼ばれてカプセル?に入る

受付を済まして名前を呼ばれるのを待ちます。病院にありがちですが、予約時間通りにはいかず予定より30分超えて名前を呼ばれました。

まず、専用の衣服に着替えるため、個室に通されます。そこで検査着に着替えて椅子で待機。

前の人の検査が終了して自分の名前が呼ばれます。

 

MRIの当初のイメージは完全なるカプセルのようなものに入れられるのかと思ったら違いました。

 

カプセルというよりマカロニ。

 

前後が穴の開いている筒状のものだったのです。

 

MRIのベッドに横になるともしも気持ちが悪くなったときはこれを押してくださいと非常スイッチを教えられます。

 

閉所恐怖症の人などがたまにパニックを起こす時があるそうです。私は閉所恐怖症ではないですが、完全な密閉空間には少し抵抗がありました。

 

しかし、実際はマカロニ(笑)いざ検査が始まっても、

 

足の方を見ると向こう側が見えますし、頭の上も明かりが差し込んでいます。

 

これは思ったよりも全然平気

 

むしろ問題なのは「音」

 

これは本当に酷いです。どの様なものかというと、昔のインターネット接続の時の音とそっくり。

いわゆるダイヤルアップの接続時の音です。

ギーギーギー、ワオンワオンワオンみたいな。

これがものすごい音量で響き渡ります。

耳には遮音用にヘッドフォンをつけていますが、あまり効果はありません。

ちなみにこのヘッドフォンからはスピッツのオルゴールバージョンがかかっていました。

これだけの騒音の中で「空をとべるはず」を聴いたのはもちろん初めて。

 

飛べねぇし!

まぁ少しの辛抱です。実際検査時間は30分程度だったように思います。検査時間は撮影箇所によって差があるらしいので、すべてのMRI検査が30分ではありません。

 

支払った金額は6,000円くらいでした。

 

 

ネットで見つけた麻痺を伴う椎間板ヘルニアに関する元気の出る回答

 

MRIを受けたからと言って症状は良くなるわけではありません。毎朝起きては一歩踏み出して、『今日も特に変化なし』とがっかりしたものです。

やっぱりもう一生このままなのかなと毎日思っていました。治るきっかけを全くイメージできませんでした。

電車に乗ってはネットで自分と似たケースの人を探していました。そんなある日、とても希望が持てるサイトを見つけました。

教えて!Gooの中のとある質問です。

どんな質問でも誰か応えてくれる「Yahoo!知恵袋」がありますが、それと同じコンセプトの「教えて!goo」です。

2006年の質問とかなり昔の記事ではありますが、質問者の症状や心境がかなり自分に似ていました。

・一番困っているのが足首がしっかり持ち上がらない状態です。びっこを引いての歩行しかできません。

・具体的に何かやったほうが良いのか?このまま自然治癒に任せて治っていくものなのか?一生びっこの生活が続くのかわからないので非常に不安です。

※一部編集しました

 

痛みがない筋肉の脱力というのは、痛みがあるより不安要素が強いです。痛みは体が発している警告なのに、その警告がないのは、

私の体はもうこの状態でOKを出しているのではないのか?
私の体は治す気がないのではないか?という不安です。

つまり体は急性のものと認識しているのか?慢性のものと認識しているのか?というところ。

果たして自然治癒で治ると考えていいのかどうか。

 

回答を寄せた方は自らもヘルニアを経験しているssmarugooさんという看護師の方でした。

何とも心強かったというか、軽いプロフィールの後、早々にこの一言です。

 

結論からいいます。手術はするべきではありません。

 

これですよね。

もちろん、看護師は医師ではないので診断できる立場ではありません。が、不安を抱えている者にしてみると力強い一言は目の前が明るくなります。手術ってやっぱり不安ですから。

さらに続けて、

 

時間はかかりますが、ほぼ完全に痛み(坐骨神経痛)や足関節筋力低下、しびれ感は消失します。

 

気持ちいいほどきっぱりとした言い切り。最近ではネットに書かれているガセ情報がどうのとか、薬事法がどうのとかありますが、精神的に響く言葉のサプリは有効だと思います。

読んでいる私はサプリというより、

「そうか、治るのか!麻痺は治るんだ」とかなりポジティブに考えるようになりました。

更にその後にssmarugooさんは根拠らしきものを綴っています。簡単に言えばヘルニアは8割が水分だから体がその水分を吸収したら治りますというもの。そして、3年続いたが治りましたという心強い言葉。

本当に救われました。

 

MRI検査結果

検査結果は一週間後くらいでした。

特にレントゲンの時とそれほど変わらず、結果は椎間板ヘルニア

気持ち的には最初の診断から新たに悪いものが見つからなくて良かったと思いました。

ある意味前向きです。

この時の診察は結果だけで他に何をするわけでもありませんでした。逆に言えば、何か別の治療をする手立てがないということです。

『経過観察』、腰痛の治療?はこのケースが最も多いように思います。

 

痛みを薬で和らげながら自然治癒を待つ。

 

先が見えない不安はありますが、一ヶ月や二ヶ月で劇的に良くなるものではないことは理解していました。

処方箋をもらい帰宅しました。

 

初期症状から2か月(60日)~

気持ちは前向きに考えるようになりましたが症状は変わらず

変わらないというより、ふくらはぎに若干の異変が現れました。力が入らないのでダランとしています(フニャフニャで筋肉を感じない感触)。そして、何となく細くなってきていました(気のせい?)。

ふと思い出したのが、無重力空間や重力が地球よりも弱い場所に長時間いると人間の体は退化していくという話。

使わない筋肉は痩せていくということです。これはヤバいと思いました。力が入らないということは鍛えようもないのです。マッサージでどうこうなるものではないですからね。

何となく部屋で屈伸運動などするようにしましたが効果は不明です。

ダイエットならともかく、筋肉の低下による脚痩せ(しかも左だけ)なんてメリット0です。

 

坐骨神経痛の痛みが和らいできた

2週間に1回の通院はパターン化し診察をしては処方箋をもらって帰るだけの日々。

しかし、椎間板ヘルニアから来ている坐骨神経痛の方が和らいできました。痛み止めが切れたであろう朝方もお尻の突っ張る感じが無くなってきたのです。

喜ばしいことではありましたが、麻痺に回復が見れないため、やはり麻痺は治らないのかなとも感じていました。

麻痺って、体の停電。神経という電線が通電していないような感覚です。手でクルクル左の足首を回しても他人の足みたいでした。

 

 

90日~足首麻痺の回復の兆し

ある日の寝起きに変化がありました

この頃になると坐骨神経痛の回復に続き、腰自体の痛みもだいぶ和らいでいました。問題はほぼ麻痺だけと言ってもいい状態です。

3か月で椎間板ヘルニアが和らぐというのは意外と早い方?どうなんでしょう。早く治ったものはまたすぐ再発するんじゃないかという不安もあります。

ある朝目が覚めた時、左の足首に何となく感覚がありました。気のせい?と思いつつ、布団を持ち上げるように足首を動かしてみました。

ちょっと持ち上がる?

スグに起き上がって、玄関に向かいました。サンダルを履いて歩いてみたらわかるはずと思ったのです。

足首が持ち上がらないので、サンダルを履いて歩くと勝手にサンダルが脱げるのです。つまり、脱げずに普通に歩くことができれば麻痺は回復したことになります。

お、歩ける?あ、脱げる。

やはり気のせいか?いや、でも前よりは感覚が戻ったような気がする。

少し残念な少しうれしいような気持ちで家に戻りました。

 

更に数日後、更に足首の麻痺が回復

またまたある朝目覚めた時に足が動く感じがありました。

前回と同じく玄関に行ってサンダルを履いて外を歩いてみます。

お!歩けてるんじゃないか?

サンダルが脱げない。

サンダルが脱げないぞ。

少し鈍っている感覚があるけど、ふくらはぎも手で触ってみるとしっかり筋肉が張っていました。

神経に電気が通った。停電が終わった。そんな感じです。

普通に歩けることの喜び。この日は仕事も休みだったので思わず駅前まで歩いてみました(15分くらい)。

普通に歩けるってすごい。

歩けるだけでこんなに嬉しいとか感じたことがないです。

前回の治った?からほんの数日後の出来事でした。

今振り返ると回復が始まってから完全回復までの間隔がかなり短かったです。ほんとに停電が一斉に直ったような感覚。

腰が痛くない、お尻も痛くない、ふくらはぎの筋肉も回復、そして、麻痺が治った。

一応これでゴールかな!

 

完治した今の気持ち

腰痛の原因は今の世の中でも8割は不明だそうです。ここで言う原因とは痛みを起こしている原因です。

つまり、レントゲンやMRIを写しても悪い部分が写らない。

これって不安ですけど、写らないってことは実は心理的な部分もあるのかもしれませんね。体のリハビリと心のリハビリを並行することで治る可能性は上がるかもしれません。

私は教えてgooの回答を始め、色々な情報をあさりまくりました。そして元気になれるような体験談を読みまくりました。なるべく気持ちは上向きに保とうとしました。

気の持ち方で腰痛が治るわけないだろと言われても体は何もしてないんですよね。リハビリらしいこともしていません。

自分でも完治した理由がわからないんです。

担当医の先生も驚いていたので3か月での完治は珍しいのかもしれませんね。再発の可能性はほぼないと思いますと言ってくれました。これについては根拠が分かりません(笑)

今はとにかく自分の体に感謝です。治ってくれた、神経が通電した。足が動く!

健康に勝る財産はないと本当に思いました。

同じ症状で悩んでいる方の少しでも参考になれば幸いです。

 

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