2016年の9月に腰に異変。今まで腰痛とは無縁だっただけに警戒心もなかった。これはヤバいと思った時には足の麻痺が発生。もう一生このままかという恐怖が頭をよぎりました。私のケースを発生から完治までを解説します。
注)この記事は完治する方法を記載したものではありません。むしろ完治した明らかな理由は不明です。発生から完治するまでの経緯を記したものです。
症状の始まり
床にあぐらで半日以上のPC作業
2016年9月17日~19日は3連休でした。
特に予定がない三連休。たまっていた仕事でも片付けようと思いました。テーブルの前に座りノートパソコンを開いて黙々と作業していました。もう食事もとらずに集中。そしたら、
それを3日続けた。長時間の作業はそれほど珍しいことではありません。会社のようなイスとデスクでは。この3日間はあぐらの態勢を12時間×3日でした。
あぐらというのは腰に負担がかかるのか、時折全身を延ばすような動作を無意識にやっていたように思います(みなさんそうだと思いますが)。
3日目の夜に布団に入ろうとすると珍しく腰の違和感に気が付きます。
何となく痛いような気がする。
しかし、このくらいの違和感は昔から経験していました。特に顔を歪めるほどの痛みではなく、同じ態勢をとり続けていた時に起こるようなレベル。
過去にTVゲームをやり続けた夜にも体験したことがあり、それは大体寝て起きたら治っていました。今回もそのような物だろうと判断しました。
いつものように仰向けではなく、横(右)を向くような態勢で眠りにおちる。
そして翌朝。
まだ違和感がある。珍しく違和感が寝て起きても継続していたのです。
しかし、まだまだ私はそれが椎間板ヘルニアの始まりだとは思ってもいませんでした。
症状はずっと継続していました。しかし我慢できる範囲で、良くも悪くもならないのでしばらくそのまま過ごしたのでした。
初期症状から18日目 登山に行く
こともあろうか高尾山に登山に行った
最初に違和感を感じてから3週間後の10月7日高尾山に登山に行きました。前々から仲間内で計画していたことであり、私自身楽しみにしていました。
腰の違和感は相変わらずありましたが、我慢するような痛みもなかったので全く問題視していませんでした。
高尾山は無事に登頂できたし、美味しいおそばも食べました。ただ、山頂にたどり着いていざ下りの時に腰の違和感は別の症状に変化していたのです。
うーんこれは何だろう。
特に仲間に伝えることもしなかったし、きっと階段を一段飛ばしで駆け上がったり無理したからかなと気にしていませんでした。
高尾山の高尾山口駅のすぐ近くに健康ランドがあり、私たちはそこでお疲れ様会をしました。疲れた体にお風呂って最高ですよね。
上がったところで入り口付近に設置されていた有料マッサージチェアで体をほぐそうと全くのんきに構えていました。
最悪だったマッサージチェア
自分の部屋は場所を取るので所有はしていませんが、マッサージチェアは大好きです。共用施設で1コインで使用できるものなどをしばしば使います。
私は強い設定が好きなのでいつも通り最強でマッサージスタート。
背筋伸ばしが痛い。いつも痛いけどレベルが違います。
体重をかけたままでは痛すぎて腰を浮かせたりしていました。
それにいつもと違う種類の痛みもありました。
マッサージチェアはそのまま動作を続けますが、後半は体を浮かせてばかり。
チェアは何種類か設置されていましたがま私が使用しているのは1回400円。どうにも貧乏性からチェアから降りることはしませんでした。
※この痛みはは体の状態に対して刺激された結果であり、マッサージチェアが原因ではありません。
1セットが終わりチェアから降りるとき、明らかに開始前と違っていました。
左の腿の痛みが酷くなっていて、腿をかばうように降りざるを得ませんでした。
この時点で感じたことは、『動けばそれほど痛くないからまぁいいか』でした。歯医者に行かない理由と似ています。『痛くなくなったから歯医者はまた今度』
良くないとわかっていても、ついつい放置しちゃうんですよね。
が、
治癒よりまず一痛み止めを処方してもらう。
痛みを我慢する精神的ダメージを取り払う緩和ケアが最優先ではないかと考えます。
どうせ、神経系の疾患の場合は投薬治療や手術より、まず自然治癒、リハビリに依存するところが大きいですからね。
ちなみに私は後日処方していただいた痛み止めで夜はぐっすり眠れるようになりました。
高尾山から家路へ 新たな症状の始まり
健康ランドを楽しんで余韻に浸りつつもそろそろお開き。
仲間と別れて電車の乗り換えの時にまた新たな異変に気が付きます。
左足の足音が大きい。
なぜそうなるのかが自分でもわかりません。
右足は通常通り。
自分のつま先や足の甲を歩きながらチェックしますが特に左右の違いがわかりません。
実はこれは麻痺の始まりだったのです。この時は気が付いていません。
『麻痺=動かなくなる』という認識はあっても、麻痺に伴い起きる症状など想像だにしません。そのため症状と体の現象が結びつきませんでした。
やっとここでそろそろ『これはまずいかもしれない』と思いました。
ずいぶん時間がかかりましたが重大な病気や症状に対して『まさか自分が?』と思うことは多いですよね。
よくある初期の段階を見過ごす原因の一つです。
部屋に着くなりさらに症状が悪化する
玄関で靴を脱ごうとしたら左足がおかしい。
全く動かないわけではありませんが足先を上に上げづらくなっていました。
仕方ないので手で人形から靴を脱がせるような感じで脱がせたといった感じ。
靴を脱いで部屋まで歩くときに腰に激痛が走ります。
おしりが痛い、腿も痛い。ふくらはぎも痛い。全て左側です。
とりあえず布団に横になろうと思い布団を敷きます。それが、
これは大変だとやっとインターネットで調べ始めます。
大よそ出てきたのは『坐骨神経痛』です
坐骨神経痛とは?
私は「しびれ」はありませんでした。もっとやっかいな「麻痺」があったのです。「麻痺」についての記述はあまりありませんでした。
坐骨神経痛以外の可能性もあることも想定しました。となると素人ながらやはり疑うのは脳神経やガン(腫瘍が神経を圧迫するケース)。年齢的にもそのような疾患が起きてもおかしくないからです。
高尾山の翌日は疲れをとるために有給休暇を入れていました。
というわけで明日はお医者さんに診てもらおう。風邪の時などにお世話になっているいつもの神経内科を受診することにしました。
初期症状から19日目 病院に行く
意外と知らない人が多い神経内科の診療内容
「神経」と名がつくと「精神疾患系」の診療所だと思う方がいますが違います。
一般社団法人日本神経学会のホームページによれば、
神経内科は脳や脊髄、神経、筋肉の病気をみる内科です。体を動かしたり、感じたりする事や、考えたり覚えたりすることが上手にできなくなったときにこのよ うな病気を疑います。症状としてはしびれやめまい、うまく力がはいらない、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、ものが二重 にみえる、頭痛、かってに手足や体が動いてしまう、ものわすれ、意識障害などたくさんあります。
そして、上記に該当する症状がどこから来ているのかという診断をしてもらえます。
全身をみれる神経内科でどこの病気であるかを見極めることが大切です。その上で骨や関節の病気がしびれや麻痺の原因なら整形外科に、手術などが必要なときは脳神経外科に、精神的なものは精神科にご紹介します。
一般社団法人日本神経学会のホームページより引用
私は今回だけではなく普段から風邪などでも「神経内科」に行きます。「内科」の診断+アルファの診断をしてもらえるからです。
神経内科での受診
通いなれた町の診療所です。流れは普通の「内科」と変わりません。
診察券を出して待合室で待って呼ばれるのを待つだけです。
名前が呼ばれて先生に問診されて体のあちこちをチェックします。およそ10分くらいと短い時間でした。診断結果は、
「脳は大丈夫だね。坐骨神経痛に間違いないと思うけど、
午後は行ける?」
と、市内のとある整形外科病院の案内をコピーした紙を出してくれました。
「大きな病院で先生もみな優秀だからここがいいよ」と勧めてくれました。
紹介状などではなく、単に紹介なので先生には一文の得にもならない上に、
「今日は薬もないし診療費0(ゼロ)でいいから」
と言ってくれました。
昔から人情味ある先生ですが、本当に良いお医者さんているもんですね。
「じゃぁ、今日行ってきます」と告げて診療所を後にしました。
でもこれって関わりたくないくらいヤバい状況だから他に回したんじゃないかとか、ネガティブな考えもよぎりました。
整形外科へ行く
まさか今どきの整形外科がこれほど進化した空間になっているとは思いませんでした。
受付は木目調も美しいホテルのフロントのようです。
受付担当者も3名ほどおり、まさにホテル。フロントバックには英語で病院名が飾られています。
こちらの整形外科病院はリニューアルオープンして10年も経っていないようですがモダンそのもの。
待合のイスはシックな清潔感のあるロングチェアで100人以上座れそうな数と床スペース。奥行きは30mくらいあるんじゃないだろうか。
よほど大きい駅でもここまで広い待合室は珍しい。
フローリングの床もきれいで照明も明るすぎず暗すぎず落ち着きます。
不安を抱えて訪れる人が多いということを考慮されて設計されていると思いました。
そして支払いも自動化されているんですね。これは便利ですが場所がら戸惑うお年寄りは多そうです。
ただ、迷っているお年寄りにはしっかりフォローは行き届いていました。
病院て来ないうちにすっかり進歩していて完全なる浦島太郎です。
整形外科の診察
名前を呼ばれて指定のルームナンバーの診察室に入ります。
問診の開始。
麻痺があると伝えると左足の甲を手で押さえて、
「上に上げてみて」と言われました。
思い切り上げているつもりでも先生はほとんど抵抗を感じていないようでした。
右足も確認した後で、
よし、じゃぁレントゲンを撮りましょう
レントゲン室の前で順番を待ってください」
外科と言えばやっぱりレントゲンは必須です。
レントゲンを撮り終えて再び診察室に入ると自分のレントゲン写真が貼られています。私は自分の骨など見たくないので直視できません。
先生はガン見しています。
「椎間板ヘルニアだね」と一言
坐骨神経痛ではなかった?
お医者さんに気になる質問してみました。
「坐骨神経痛じゃないんですか?」
「椎間板ヘルニアが原因の坐骨神経痛だよ」と診断されました。
PCのフォルダ的に考えると、坐骨神経痛の上の階層に椎間板ヘルニアがるってことか。
そして一番気になる質問をしました。
「椎間板ヘルニアで麻痺は起きるんですか?」
「起きるよ。よくあります。」
と椎間板ヘルニアのパンフレットを差し出してくれました。
そこには椎間板ヘルニアで起こる症状について書かれており、その中に麻痺も記載されていました。
椎間板ヘルニアで麻痺はある。
変ですが何となく安心しました。確かに症状はつらいですが、他の重病であれば状況はまた全く違ってきます。
そしてもう一つの気になる質問、
「麻痺は治りますか?」
「治るでしょう。」実にあっさり。
これはちょっとびっくりしました。どんな病気であれ麻痺は治りにくいという概念があったためです。
「時間はかかるかもだけどこの程度なら治ると思います。」
これは何人もの患者を診察してきたお医者さんの言葉として説得力も感じるし、かなりうれしかったです。
ただ、
「もう少し詳しく調べたいからMRIをやりましょう」
やっぱりレントゲンだけでは終われなかった
念のためのMRI
場所はこの病院ではなく、系列の更に大きな病院に行くことになりました。MRIは言わずと知れた例のレントゲンの凄いやつです。
強力な磁力や電波を使用して、脳や脊椎をはじめとした内臓を画像化してくれる装置です。レントゲンでは写らない軟部組織・椎間板・神経を画像化してくれます。
どうやら磁力が水分に反応する結果を元に映像化するらしいですね。
水分と磁力というのは密接な関係があるんですね。
そういえば電子レンジも磁力で水分を振動させてその摩擦熱で温めると聞いたことがあります。一緒にする話でもないですが。
ちなみによく一緒にされるCTスキャンですが、こちらは放射線を使用しています。脳出血などの発見に優れています。ただし、わずかですが被爆を伴うとのこと。
なお、ただの素人ブログですのでMRI、CTスキャンの正確な情報は医療機関へ確認してください。
MRI検査はかなりの予約があるらしく、最短で一週間後ということになりました。
椎間板ヘルニアと診断され、処方された薬
身体的にも精神的にも必要不可欠な痛み止め
を処方していただきました。
「ビタミンB12」は神経を修復してくれる作用があるらしいです。
しかし、効果が切れてからの痛みが始まるまでは急速です。
痛み止めを入手できただけでも診察した価値がありました。薬で麻痺は改善しませんが、痛みがないことで苦痛なく動くことができます。
体にとっては「ダマしている」ことにはなりますが痛みがあることのストレスを考えたらこれはありがたいです。
MRIまでの一週間は不自由と痛みの戦いでとても長く感じました。
コメント